オークションとかレビューを見てて気になっていたオーバードライブ、VOXのV810。
「ブリティッシュな音がする」とか「ブリットポップに最適な音」とか
「VOXアンプの音がする」とか、もうすんげ気になるじゃないですか。
何気に隠れた名器扱いで、生産終了品なのでちょっとプレミア価格になってるし。
 
んで回路図を探したらロシアのサイトに置いてあったんですが、見てビックリ。
中身チューブスクリーマーじゃないですか!!
 
TSの回路って、いじっても結局TSの音じゃないですか。
なのになんでブリティッシュでVOXアンプ?・・・とか思って超観察。
まるっきりTSと同じってわけじゃなくて、ほんのりと違うので、
きっとそのほんの少しの違いに秘密があるんじゃないと。
 
TSとV810の違いは以下。
 
・インとアウトのバッファのトランジスタクリッピングダイオードが違う。
・インプットバッファの定数が違う。
・6Pスイッチ使用でミレニアムバイパス。
・出口の信号ラインからグランドに落ちてる抵抗が1KΩ。
・9V電源のとこに定電圧回路みたいなのがくっ付いてる。
 
・・・ってとこです。
 
この内、トランジスタダイオードの違いは大した違いにならないので問題外。
バッファの定数違いも使用者の印象をがらっと変えるほどの違いは生み出さなさそう。
コレクタ出力型の大音量ブースターに代えたりしてるなら違うでしょうけど。
レビューにボリュームがあまり大きくないって書いてあったんですけど、
ケツの抵抗が1Kなせいですね。これを大きくすれば出力も大きくなるでしょう。
 
残るは電源のとこの定電圧回路みたいなやつです。
見たところ、9V以下に電圧下げちゃってるっぽいので、
ブレットボードで組んでみたら、9Vが7.9Vくらいまで下がりました。
歪みの回路って電圧下げると荒くて粗野な音に変るので、これがTSとの違いの肝っぽい。
 
んで全部ブレットボードで組んでみたら、基本的にはTSの音ですけど、TSより荒い音になりました。
定電圧回路繋いだり9V直にしたりしながら聞き比べたら、
やはり8V以下に下げちゃってるのが音の違いを生み出してました。
 
オーバードライブってあんまり好きじゃないし使わないんですけど、
試し弾きしまくってたらちょっと気に入ったので改造して組むことにしました。
 

 
ゲインの可変抵抗を500Kから1Mに変更して歪みアップ。
トランジスタはインが2SC1845A、出口が2SC2240BRを使ってみました。
1845はハイゲインなやつで、2240ってのはレアで有名な2SC1000GRの後継種ですね。
オペアンプは普通の4558です。
出口の抵抗1Kは100Kに代えて音量アップしました。
 
あと、チャージポンプで昇圧ってゆーのをやってみたかったので、
電圧を元の7.9Vと昇圧した17Vにスイッチで切り替えられるようにしてみました。
 
昇圧の回路って、MAX1044というICを使ったやつがポピュラーみたいなんですけど、
MAX1044って通販でしか買えないし高いので、代替品を探して使いました。
地元の店で売ってたのはTC7660HCPAってのとICL7660CPAってやつ。
前者は150円くらいで、後者は500円くらいでした。
両方買って試してみたけどどっちも同じように使えたので、150円のTC7660がお得でいいっすなー。
 
※追記
つっこまれたんで。
←昇圧はここのを見て作りました。
↑に書かれてますけど、7660使うときは、1ピンを9Vに繋いじゃだめなんで注意です。
繋いでもいい7660もあるらしいですけど、ぼくが使ったやつは繋ぎません。
  


定電圧回路通すと、言われて見れば・・・っつーレベルですけど、
VOXっぽいっつーかブリティッシュっぽい音もするし、
17Vに昇圧するとリッチでヘッドルームでかいっつーかレンジが広い音になります。
 
この定電圧回路を応用すれば、パワーサプライを使いつつも、
電池が減った状態を再現したりできそうなので、色々と想像が広がりました。
ヘタった電池使ったときのファズの美味しい音を狙ったりできそう?
 
他にもクリッピングイード切り替えとかも考えましたが 
増幅の帰還部分のダイオードクリッピング自体あまり好みではない方式なので、
数種類試してみましたがシリコン対称以外はどーでもいい音だったのでやめました。
 
すんごく使いやすくて安定してて、なんだかんだでいいペダルですね。
なんか80〜90年代に聴きすぎて飽き飽きした例の音の範疇なんですけど。

基板作ったら満足しちゃって、まだケースに組み込んでないんです。
使ってないペダルをばらして組み込もうかなーと予定してます。