※なんか色々と追記&修正しました。 
 
FM-2改があるからいらねーや・・・と、解体破棄してしまった
ハニーのベイベークライングをまた作りました。
 
YoutubeThe Whoウッドストックライブを観たり、
UNIVOXのスーパーファズのデモを聴いたりしてたら、
やっぱ一個くらい手元に置いておきたくなったのです。
 
今回は改造もなんもなしの、素のまんまで作りました。
オリジナルと違うのは、1Wの酸化金属皮膜抵抗を使ったのと、
トーン切り替えをフットスイッチで出来るようにしたくらいです。
あと、二色発光のLEDを使って、トーン1と2で色が変わるようにしてあります。
 
トランジスタは2SC828のQランクで、ケツだけ2SC458を使ってます。
ハニーのオリジナル通りですね。
 
スーパーファズのファミリーは、
代替わりするたびにトランジスタのゲインが高くなっていくのですが、
ハニーと初代のグレイのスーパーファズは、一番よわーいゲインになってます。
んで、弱いゲインの石を使うのにはそれなりに良いことがあります。
 
60年代に初代スーパーファズを使ってるころのピートタウンゼントの音を聴いたり、
Youtubeでデモを聴くとわかると思うんですが、有名なオレンジ色のやつなんかは
アタックが結構つぶれてるし、調整用のトリマがついてるので、
アッパーオクターブがハッキリ出てて、コードとか弾くとリングモジュレーターみたくなっちゃうんですけど、
ハニーや初代スーパーファズは、オクターブがローポジションであまり出ない代わりに
音が潰れず、ピッキングニュアンスがちゃんと出るし、ちゃんとコード弾きに使えるのですね。 
 
実際Youtubeでデモプレイしてる人たちも、初代のを使ってる人たちはブルージーなフレーズを弾いたりするけど、
後期のオレンジ色のやつを使ってる人たちは、パワーコードでドギャギャギャーみたいに、
弾き方がサウンドデザインにハッキリ左右されてて面白いです。
 
以前ぼくが作ったハニーというかスーパーファズというかは、
入手しやすい2SC828Aを使っていたのですが、
828Aって実は何気にゲインが300以上あったりして、音が潰れちゃうんですよね。
Qランクが手に入らないなら、無理して828A使うよりも、ゲインの低い石を使ったほうが、
オリジナルの演奏感に近くなると思います。
(※追記 828AでもQランクに当たれば大丈夫)
 
この手の回路を作るときって、意地になってアッパーオクターブがハッキリ出るように
調整しちゃうんですけど、今回はメインの歪として常用できるようなサウンドデザインにしようかなーと。
まあつまりは当時のまんまを再現しただけ・・・みたいな。
 
 
とりあえず、手持ちのトランジスタを色々試してみましたよ。
  
2SC828のQランクは手持ちが50〜60個くらいあって(自慢)、
ランダムに15個くらいHFEを計ってみたら200以下のばっかりで、
大体130〜150くらいでした。
 
70年代に入って、ダイキャストケースのモデルになってからのやつ、
白いのとか黒いスーパーファズは2SC536Gで、
手持ちの12個のHFEを計ると大体170〜200くらい。
(※追記 よく見たら手持ちのはGじゃなくてFランクでした。ほんとのGランクはもっと高いかも)
 
そしてその後出た有名なオレンジボディーのスーパーファズは、
2SC537Gのボタンパッケージで金足のやつ。
このトランジスタはレアなので手持ちが3個しかないんですが、
一応計ってみたら、230、232、251でした。
(※追記 もっかい計ったら1個は300超えてました)
まあ3個しか持ってないんで、どの道スーパーファズ作るのには足りませんけどね。
(もったいなくて使えないだけとも言う) 
 
ちなみにハニーのケツに使ってる2SC458はHFE250前後ですね。
あと、UNICODE名義で出たスーパーファズやユニファズで、
2SC828と混ぜて使ってる2SC539のメタル缶パッケージのやつは、
レアすぎて売ってるの見たこともないです。
国産トランジスタフェチなぼくとしては、いつか入手したいなあ・・・
ローランドのビーバーとかで使ってる、539の後継品種だと言われてる2SC644なんかは
しこたま持ってるんだけどなあ(自慢)。
 
 
ハニーやユニファズみたく、基本は汎用の828を使って、
ゲイン強めでハイファイな方が良いと思われる部分だけ、
2SC458とか2SC539みたいなオーディオクオリティの石を使い分けるのって、
なんかすんげー日本人っぽくっていいですね。
 
昔の国産ペダルはこーゆーのが多くて、そーゆー一箇所だけ違うトランジスタを混ぜて使ってる場合、
大抵は当時のアンプやイコライザーに使われてたオーディオクオリティの石ですね。
 
「この部分は純粋に増幅してるだけだから、良い石を使おう」
とか選定してトランジスタを配置してる大昔の日本のエンジニアの姿を想像すると、
なんだかすんげー萌えますな。
 
 
そーいえば、スーパーファズ系列の自作記事を見てると、
回路は初代のなのに、2N5088使ったりしてる方が多いみたいですけど、
それだとどのバージョンのものよりもゲインが高いので、音の潰れ具合が強くなっちゃうですよ。
オクターブ調整用のトリマ(10K)が付いてる後期のものでも、HFE250以下300以下で作ると幸せになれると思います。
 
初代スーパーファズやハニーの超レトロなファズサウンドが欲しいなら、
せめてHFE190以下の石にするといいかと思います。
2SC828のQランクが入手できなければ(今売ってるとこあるのかな?)、
2SC945のQランクとか、2SC1815のYランク、あとは2SC1213Aとかが代用になりますかね。
外国産ならBC169Bとか2N2222とかですかねえ。
2N2222はノイズジェネレーターとか一石の発振機に指定されたりしてて、
扱われ方が2SC828と似てるから、適任かもしんないですねえ。
トランジスタの種類よりも、ゲイン重視がお勧めでっす。
 
まあ所詮ぼくの主観ですので、参考にする方は自己責任でお願いしますっつーことですが。 
(まじで責任とりませんからね。まじでまじで)

 
んで、せっかく気合入れて作ったのはいいのですが、
やっぱりFM-2の改造バージョンばっか使ってます・・・
 
フェンダーブレンダーやフォックスのトーンマシーンとか、
UNIVOXのスクウェアウエーブなんかを作ったときも思ったんですけど、
どうやらぼくはゲルマダイオードクリッピングの音が苦手みたいです。
LEDとか整流ダイオードクリッピングもあまり好きになれないので、
普通のシリコンダイオードクリッピング以外に選択肢がないですね・・・
 
そのうちハニーやスーパーファズもシリコンで作り直したいなーと思います。
 
たぶん。いつかきっと。