※1/29追記あり

こないだからモチョモチョいじってるシリコントランジスタでゲルマニウムをシミュる方法ですが、
もっと煮詰めて音もソックリにできちゃいました。
 
トーンベンダーMKIIの初段増幅部分の回路を、
ゲルマ版とシミュレーター版で作って、ほとんど違いがなくなるまでチューンしました。
 
 
オリジナルの回路はこれ

この回路はゲルマじゃないとダメで、シリコンだと音が出ないので、
比較の元ネタとして最適です。
オーバードライブ的に歪んでるので、歪みの倍音を比べられるし、
ギターのVOLを下げると綺麗なクリーンになるので、より最適な回路なのです。
 
 
んでシミュレーション用の実験君はこれ。実験用にアウトにボリュームつけてます。

インプットのコンデンサの極性間違ってますが。
エミッタ間の12Kの抵抗は、実験に使ったOC75と同じくらいのゲインにするための値です。
 
とりあえず、ゲルマは2SB数種類とOC75、あとNPNの2SDのもの1種類試してます。
 
この定数だと、ゲインはともかく音は全く同じです。
違うといえば違いますが、ゲルマの種類を変えたときと同じくらいの違いしか
ぼくには聞き分けられませんでした。
倍音の出方、歪み方、クリーンの時のキラキラ具合等、
ゲルマとほとんど同じにできちゃってビックリクリクリ。
 
前回記事にしたとき、漏れ電流の再現のために追加してた470Kの抵抗は390Kに変えてます。
前回のままだと、低音の出方が少なくて、動作はするけど音は違いました。
こうすると低音の出方も同じになり、ゲルマの回路をそのまんまの定数で再現できました。
あと、前回は高域削りのために100Pのコンデンサもつけてましたが、
390Kに変えたことで高音の出方までゲルマとソックリになったので無しにしました。
ここの抵抗値を下げると低音が増えつつモッサリとした音になっていき、
上げると低音が減って堅い音になっていくのです。
ちなみには330K〜560K辺りがチューニング可能な範囲ですかね。
それより下になると、猛烈にモッサモサな音になるし、
上になると堅くてビービーします。一応上げまくっても下げまくっても音はでますけども。
 
愛するトーンベンダーをこの定数で実験してますが、
ブラインドテストでゲルマ版と聞き分けられないです。
 
こんなにあっけなくゲルマの音を再現できてしまって、
信じられないような、複雑な気持ですよ・・・。
 
つーか、これって今までに誰もやってないのかなー・・・?
すんげーソックリでゲルマがマジで要らないくらいなんですけど・・・。
 
ただこの後色々試してみた結果、ファズとしてこの定数のまま組むと、
低音出すぎだったり高域が目立ったりするので、このシミュで増幅を複数段組む場合、
定数を変えたりコンデンサでハイを削ったりしてチューニングしないと駄目です。
つってもまあ定数を変えるだけのチューンで済むので、
ゲルマをとっかえひっかえして選別するより全然楽チンっちゃ楽チンなのです。
せっかくチューニングが楽なので、ゲルマ風の美味しいところと、
シリコンならではの良いところを合わせた使いやすい音に仕上げたいと思います。
(簡単にいじれすぎて、いつまでたっても音が決められなくて困ってますが・・・)