ToneBender Professional MKIIです・・。
 
以前、国産のゲルマトランジスタを使って作ったことがあったのですが、
完成後に改造とかしまくりすぎてグチャグチャになったので、
もう一度作り直しました。
ケースのデザインが直前まで思いつかなかったので、
安直にドクロマークをエッチングしました。
 
 

トランジスタは当時のレアなゲルマトランジスタ、OC75を奮発して使いました。
抵抗は3Wの酸化金属皮膜、コンデンサタンタルと耐圧400Vのメタルフィルムです。
バスコンだけ普通の電解コン。 
ゲルマトランジスタ回路の定番改造である、バイアス(Q3のコレクタ抵抗)可変だけ追加。
他はオリジナルのままです。
電池オンリーの使用で、LEDもなし。
 
この手のバイアス可変って、内部でトリマを使うのが定番ですが、
気温にあわせてしょっちゅういじるので、
密閉式のちょっと高級なPODを使って外からいじれるようにしました。
トリマ使うとめっちゃ音悪くなるし、実はトリマって耐久性が200回転くらいが限度に想定してあるらしいしね。
 
音は最高にかっこいいです・・・が!
 
 
ToneBenderMKII・・・それはもうなんとゆーか、
ぼくにとって凄く凄くすっごく!厄介な存在です。
 
なにが厄介かというと、ぼくの人生でナンバーワンにかっこいいギターサウンドだってゆーことです。
人生におけるギターの音が最強にかっこいい曲ベスト3に入ってて、
ずーっとアホみたく聴き続けてる曲、
Led Zeppelinの「Whole Lotta Love」のギターの音・・・それがToneBenderMKII。
もうこのMKIIの音を聴くだけで、わけわかんない汁が脳内にあふれまくります。
 
低音と中音域でゴロゴロブリブリ鳴る荒くて泥臭い歪み、
鼻つまんだようなトーン、なんでそんなに怒ってるの?って感じの究極にアグレッシヴな音。
 
・・ああ・・・最高です・・・。 
 
そんなに好きなら普通にメインにして使えばいいじゃん・・・って思うだろうけど、
実は「音」に関しては最強なんだけど、納得行かないポイントが多いのです・・。
 
ぼく的に引っかかってしょうがない最大のポイントは
ゲルマニウムトランジスタを使わないと、この回路が動かないこと。
 
初めて作ったとき、「初期ペイジの音が出る!」ってきゃーきゃー喜んでたんですけど、
気温とか天気で音が変りすぎるのですよ・・・。
今回使ったOC75は、スペック的にHfe60〜180くらいらしいですが、
実測すると気温によって下は20、上は200近くまで変動します・・・。 
 
しかもゲルマ使うと、もし壊れたときに同じ型のが手に入るかどーかわからないですし、
安心して使えないです。まあ、そんなに壊れたりはしませんけども。
 
回路的には、FUZZ FACEの前段に増幅回路を足しただけなんですけど、
この初段の増幅回路が曲者。
FFだったらゲルマでもシリコンでも動くけど、この初段の回路だけがゲルマじゃないとダメ。
ゲルマトランジスタの特性に依存した回路なのかなあ。
しかも単純な増幅回路じゃなくて、この部分だけの音を聴くと、
暖かくて太い、かっこいいオーバードライブ的な音がするのです。
3ノブのToneBendaerの最終段の増幅も同じような感じ。
 
なので、初段の増幅部分以外はよゆーでシリコンに置き換えられるし、
FFのモディファイのノウハウがそのまま応用できます。 
 
何度もシリコンで同じような音にならないかチャレンジしましたけど、
FFの前段にブースターを追加したような音から脱却できませんでした。
 
むしろただのFUZZFACEのシリコンバージョンをいじりまくった方が、
MKIIっぽい音になっちゃったりするんです・・・・。
 
FUZZFACEはいろんなメーカーがゲルマ版もシリコン版も作りまくってますが、
ToneBender系だけはどのメーカーもゲルマ版しか出さない理由がここにあるんですねえ。 
 
 
とゆーことで、ゲルマで作って最高にカッコイイ音が出れば出るほど、
ぼくは複雑な気持になって、すんげー悩んでしまうのです。
 
そのうちにシリコントランジスタでこの音を再現、もしくは超えてやるぅぅぅああぁうぁうああ!!!