【前書き】
 
ただでさえオクターブファズが大好きなぼくですが、
更に大好きなミュージシャンのジョン・スペンサーが使ってると知ったら
作らないわけにはいきません・・・・ってことでアンペグのスクランブラーです。
  
基板まで作ってそのまま廃棄したものを入れると、今までに合計3回作りました。
現在残っているのは一つだけですが。
 
一番最初に作った時は気合を入れて
オーディオ用の電解コンデンサー、高級な金属皮膜抵抗、ビンテージワイヤー等、
高いパーツをふんだんに奢りました。
 
でも、全然好みの音じゃありませんでした・・。
もちろん歪みペダルとしては凄く破壊的で魅力的な音なんですけど、
なんだか無難にまとまりすぎな感じ。
 
そして基板むき出しのまま放置。後にパーツ回収のために解体しました。
 
後日、もしかして安いパーツの方がカッコイイ音になるのでは・・と思い立ち、
ブレットボードで組んでみたら、これだっ!・・っつー音が出たので、
そのまま手持ちの汎用パーツで組みました。
 
基板が完成してから、どうせならトランジスタをオリジナルのままではなく、
国産のものに置き換えて作ったものを使いたいなあ・・と考え直し、
3種類ほど国産のダーリントントランジスタを試して、
一番しっくりきた2SC1472Kを使用し、三度目の正直で組み上げました。
オリジナルの2N5306を10個ほど注文したのですが、
ゲインのばらつきが結構キツかったので、もう一段階ゲインの高いもののほうがバッチリ風味。
ちなみにダーリントントランジスタじゃないと最低な音になります。 
あとBC169Bも使うのですが、このトランジスタが凄く大好きなので、
使うのもったいないので、同じくらいのゲインの2SC945Qを使ってます。
パーツだけは完全に純国産になりましたん。
 
配線パターンは名刺サイズの基板に収まればいいや〜っつー感じに
手書きでメモった程度の自己流パターンで、ポイント配線に。
ネットに出回ってるパターンよりも部品同士の距離が最短だし、
ジャンパー使わなくてもいいように作ったので、出音がダイナミックでさいこーです。

ケースは安くてカッコよかったので画像のケースを初めて使ってみたのですが、
アルミ部分がすっごく厚くて硬いので、穴開けが大変でした。
ネジを外すと4つの部位に別れるタイプなので、
なにげにメンテも大変です・・・。なのでたぶんもう使わないです。 

 
【感想とか雑感とか】
 
ぼくが今までに作ったディスクリート回路のオクターブ物の中で、
一番しっかりしたアッパーオクターブが出ます。
あまりにも出過ぎるので、テクスチャーのコントロールをMAXにすると、
リングモジュレーターのような音になり、もうグッチャッグチャ。
この手の回路はトランジスタのマッチングや、ペアで配置された抵抗の誤差で
オクターブの出方が結構左右されるので、塩梅良くマッチした結果だと思います。 
 
クリーンとファズをブレンドするタイプの回路なので、
良い具合にブレンドすると、周波数が干渉して「びにょ〜ん」とした音になります。
 
メチャクチャにしたければかなりのカオスな音にできるし、
無難な音にセッティングすれば使い回しのできる音もできるので、
かなり出来の良い回路だと思います。
 
パーツについてですが、冗談抜きで安いパーツが一番合うと思います。
基板も安いのがいいです。
ガラス繊維の基板使うだけで音が硬くなって面白くなかったですよ。
抵抗も1/4Wの安いカーボン奨励。 
 
 
アッパーはほとんど出さず、
クリーンを軽くブレンドしたくらいの設定で使えば、今日から君もジョン・スペンサー・・。
っつーか、それっぽい音を出したいだけなら、実はモズライトのFUZZ RITEを使っても出るので、
オクターブ音使わないなら、FUZZ RITE作ったほうが簡単で賢い気もします。
 
あと、音量がギターの生出力とほとんど同じ程度で、ボリュームコントロールもついていないので、
ケツにブースターつける改造すれば、使い勝手がめちゃくちゃ上がると思います。
某国内高級ブティックメーカーが、ジョン・スペンサーのためにつくった
スクランブラーのモディファイバージョンも、内容はこんな感じだと予想してます。
(ノブ一個増えてるしね・・・)
アンプをドライブさせられる音量が出たら、完璧なペダルになるでしょう・・と無責任に断言。


でもぼくはぶっちゃけジョン・スペンサーごっこするときにしか使ってませんので、
改造版は作らない予定ですけども・・・(笑)。 
ちなみにディストーション的なセッティングにすればU2のエッジにもなれます。 
ぼくはファンじゃないのでどーでもいいですけどもん。