キャリっとしたオーバードライブがほしくなりました。
ブルースブレイカーとかブルースドライバーとかOD-2的なやつ。
 
あまり歪まないもので、最大でもクランチくらいまでで、
アンプを軽く歪ませたような音が出せるもの。
そしてクリーンな設定も可能で、リニアなブースターとしての使用も可能であること。
 
既存の回路には思い通りのものがないので、 
オリジナル回路を設計してみることにしました。
 
自作系の大御所サイト、Runoffgrooveさんが、有名なチューブアンプの回路を
JFETの増幅に置き換えてエフェクター化するというネタを結構やっており、
数点ほどブレッドボードで試したことがありますが、とてもよいアイデアだと思います。
なのでぼくもこの方式でやってみることに。
 
ただ、有名なアンプの回路を参考にしたり、音を再現してもつまらないので、
めちゃくちゃマイナーなアンプの回路を参考にして、増幅段の組み合わせ方だけを採用してみました。
 
参考にしたのは70年代にACETONEが作っていた国産の真空管コンボアンプ。
名前も知らなかったし、ググっても愛用者とか音のレビューとか全然出てきません。
もちろんぼくも見たことも聞いたこともないものですが、
なんか海外のマニアックなサイトに回路図があったのです。
回路図を見るに、たぶんゲイン最大にしてもほとんど歪まないアンプな気がしたので、
こりゃ最適かもしんないなー・・・とか、そんな動機で採用しました。 
 
そのアンプのトレモロとリバーブを除いた増幅回路部分だけに注目して、
真空管部分をJFETに置き換えて、増幅の組み合わせとトーン回路だけを参考にしました。
もちろんこのアンプの音を知りませんので、音は全く違うと思います。 
 
 
音のコンセプトは

・キラキラでキャリキャリで鈴鳴りっぽいハーモニクスがいっぱい。
・ゲイン最大でもクランチくらいまでしか歪まない。
・リニアでクリーンな音にもセッティングできる。
・アンプをめいっぱいドライブできるくらいの馬鹿でかい音量が出る。
・コンプ感ゼロで、ピッキングニュアンスが出まくり。
 
・・・といったところで、設計&実験しました。 

んで出来た回路図が↓
 
 
 
ほぼコンセプト通りの音になったので、手持ちの安物パーツで組みました。
フィルムコンの耐圧が400Vってのだけにこだわり、
使うあてのなかった背の低い小型電解コンデンサーを使いました
 

 
 
キラキラでキャリっとした音が出ます。
クリーンな設定にすると、少しローが薄いトレブリーな音になりますが、
それはそれでかっこいいです。
 
トーンの効きは、ミッドをどのくらい通過させるかってのを調節するタイプで、
音色が激変するものではありません。
トレブリーなギャリギャリした音から絞っていくと、ブーミー寄りになっていきます。
 
音量が大きいので、クリーンに設定してブースターとして使うと、
アンプ単体で歪ませたときとはまた違った味付けになり、中々好みです。
 
アンプをクリーンにしてエフェクター単体で歪ませた音は、
いかにも古いコンボアンプ・・って感じの音で、これがもう猛烈に好みで大好きになりました。
  
普段愛用している歪みペダルは、どれもこれもアンプをクリーンに設定して繋ぐのが最適なものばかりなのですが、
アンプを軽く歪ませたような音が欲しいときが結構あるので、
そんなときはこのペダルをオンにすれば解決ですので、かなり重宝しています。
 
ビンテージパーツで作り直したり、もっとローミッドが出るタイプを作ったり、
色々とやってみたくなるほどにお気に入りになりました。
実験の段階で色々と改造ポイントもわかっているので、
派生モデルがあと5個程思いついていたりします。
 
まあ、自分だけのオリジナル回路なので、プラシーボ抜きの評価は難しいのですが、
一ヶ月以上毎日使っても全然飽きが来ないので、普通に好みの音が出てるのだと思います・・・。