ローランドのファズ/ワウのAD-50 ダブルビートのファズ部分だけ作りました。
すでにダブルじゃなくてシングルビートですね。
 
レビューとか見るとですね、
「凶暴」「爆音」「凄まじい音」「ビーストだ!」などなど、
ぼくが魅かれてやまない表現のオンパレードです。
Youtubeにあったサウンドサンプル聴くと、
マジでめちゃくちゃな音がしてて、ちょーかっこいい。 

ただほとんどの人がワウ部分はクソだと言います。
それでファズ部分だけ作ってみたわけです。
 
三種類バージョンがあるらしく、1個目と2個目の回路は同じでケースのレイアウトが違うだけで
3個目はオペアンプのオーバードライブ的な回路らしいですね。
 
※追記
調べたら、初代と二代目はサスティンのPODが違うみたいです。
初代は50KAで、二代目は10KCだとか。ほんとかどーかは知らないです。
 
この類のPOD接続方法(②からIN、③をGND)の場合、大抵Cカーブなんですけど、
Cカーブは入手がめんどくさいので、Aカーブ逆接続にしてみたけど、
いまいちだったので、普通にBカーブにしましたが、全然OKでした。 
 

ネットに落ちてる回路図は1個目か2個目のものっぽい。
ただ、内部画像と見比べたら回路図に間違い発見。
50K-Bのボリュームが書かれてなかったです。
ファズ部分に関しては、けっこーでかい音なので、ボリューム無しで作ったら悲惨なことになりますな。
ぼくは50K-Aで作りました。うちのアンプは、コレクタから出力する歪みペダルの場合、
Bカーブだと音量上げると変なサチュレーションが・・・
相性ですかね?わかんないけど。
 
オリジナルのトランジスタはレアで有名な2SC1000GR。
有名とゆーか、この頃のローランドの回路は大抵これ使ってますね。
手持ちが5個しかなくてもったいないので、一応オリジナル通りにブレットボードに組んで試したあと、
2SC2240BLを使って組みました。
 
2SC2240BLって、2SC1000GRの後継品種だってきいてるし、スペックもちょっと似てるけど、
いざ同じ回路を組んで聞き比べると、音は結構違いますね。
 
ちなみに両スペックは以下。 

型名 / 社名 / 用途 / 構造 / VCBO / VEBO / Ic / Pc / Tj / hFE / VCE(V) / Ic(mA) / fab/ft* / Cob / 外形

2SC1000 / 東芝 / LN / Si.E / 60 / 5 / 150 / 400 / 125 / 200-700 / 6 / 2 / 80* / 6 / 138 /

2SC2240 / 東芝 / AF.LN / Si.E / 120 / 5 / 100 / 300 / 125 / 200-700 / 6 / 2 / 100* / 3 / 138 /

 
実測すると、ゲインは同じくらいなんですけど、1000の方は5個しか比べてないのに、
hfeが100以上差あったりとか、かなりのバラつきでした。
 
1000で組むと、けっこー音が篭るんですけど、
2240を使うと、明るくてすっきりした音になります。
すっきりっつっても回路が回路なので、アホみたくクレイジーな音ですけども。
利点はノイズがちょびっと減ることですかね。
(※追記 2240のが耐圧が倍なので、音がはっきりくっきりで低ノイズになるんですね)

一応その他のパーツも色々試してみたんですけど、
オリジナルみたく、1/4カーボン抵抗+安いマイラとセラミックコンデンサがベターでした。
 
抵抗は、カーボンソリッド使うと、中〜高音域のかっこいい倍音がマイルドになって消えちゃうし、
金皮使うとゲロゲロに硬くて聴いてられない。
 
コンデンサに関しても、マイラだと中音域に集中したバリバリ感でるけど、
メタルフィルムとか使うと歪みの粒がまとまっちゃって良いとこなしです。
 
なので、オリジナルと同じようなパーツ構成にしました。
しかも使ったうち7割くらいのパーツは当時のもので、腐りかけ寸前の古いやつ。
 
 
音はまじ凄まじいです。ケダモノです。
バリバリのグッチャグチャでブチブチです。
 
・・・が!
扱いやすいです。
音はぐちゃぐちゃだけど、コントロール的に破綻してないっつー感じ。
 
ギターのボリュームに対する反応がバッチリで、ゲインとボリューム絞るとちゃんとクリーンになるです。
マックスにするともう狂気以外の何者でもないですが。
 
一見すると、ファズフェイス系の回路のケツにもう一段増幅を置いただけで、
それ系の音がしそうに見えるんだけど、FF系回路の定数モディファイでは絶対に出せない音ですね。
マフの音との共通点を挙げてる人がいましたけど、そう言えなくもないかな。
増幅してクリップした音を更にトランジスタにぶち込むことで、
FF系よりもめっちゃくちゃバリバリした激しい歪みになってるのかな。たぶん。
 
出口のカップリングを切り替えることで、3種類の音が出るようになってるんですけど、
どれも個性的で、ビッグマフ系のシーソー型トーンに置き換えるとか、そーゆーモディファイはダメな感じ。
もっと色々試したかったんですけど、あまりにもかっこよくて気に入ったので、
あっとゆーまに組み上げてしまいました。
なのでケースも無塗装で磨いてすらいません。
ツマミの下にメモリプレート敷いたのだけがちょっとスペシャル。
本来の音色切り替えは、ロータリースイッチでやってるんですけど、
丁度いいのが売ってなかったので、3PのON-OFF-ONのトグルスイッチで切り替えてます。
250pFのコンデンサから出てる音が常にオンで、それに他の音色を足す感じです。
ちょっとハイのバリバリ感が増えちゃうけど、そんな微妙な変化はどうでもいいくらい
メチャクチャな音なので無問題っす。
 
個人的にはかなりのヒットで、一気にメイン格に昇進です。
すんげーワイルドでナスティで半端ないっす。
古いファズの音が好きな人ならこれ絶対気に入ると思います。
 
「人類滅亡しろ」とか「お前ら全員死ね」みたいな気持を込めてギター弾いてる人には最適。
もちろんぼくは世界平和と愛の歌しか歌いませんけど。
 
おっほっほっほ。